土壌汚染の捉え方

一般に土壌とは、「陸地の表面を覆っている生物活動の影響を受けた物質層」と考えられている。一方、土壌汚染という用語で使用している土壌とは、1)「土地や地盤を構成する物質」または2)「土地」を指している。前者の1を対象としてこの用語が使われ始めた発端は、農用地の耕作土の汚染問題であった。このため土壌そのものの汚染現象を指していた。現在は農用地以外の土地の汚染も問題として表面化し、この現象に対しても本用語が拡大適用されるようになり、土地を構成する物質全般(地盤ともいう)に対する汚染現象を指すようになった。さらに不動産の取引に伴い、土地そのものとしての資源的価値についての評価が行われるようになり、土壌という物質ではなく、後者の2の土地としての意味を持つようになってきた。

周辺の自然や人へ影響がない程度、例えば農用地畑等への農薬散布による農薬が含有している状態については、土壌汚染とは言わない。また人が資源として利用する鉱山などの有用物質を含む状態(鉱物資源など)は、それが有害物質であったとしても、汚染とは言わない場合がある。

一般には土壌の環境基準値を超過する状態の事と考えられがちだが、環境基準は「人の健康の保護および生活環境の保全のための目標」であること、対象物質が限られていることから、一面を捉えているのみであることに注意が必要である。

より広義に捉え「土壌の環境機能を侵害または阻害している状態」とする考え方もある。

鉱山などの有害物質等を含む天然資源において、人が利用した後の排水・廃棄物を原因として、二次的に重金属等の有害物質が、一般環境中に拡散してしまう場合がある。このように汚染とはいわない場合がある。天然資源を人が手を加えて利用した後に有害物質が拡散した際に、これらが自然環境や人の生活へ影響がある程度に土壌中に含まれた場合、この現象は土壌汚染と考えられる。一方、生産を目的とし人為的に一般環境中に拡散させたのである事から、自然や生活に影響が無くとも、汚染であるとする考え方もある。

廃棄物最終処分場に存在するものに対して土壌汚染と言う事はしない。これは第一に土壌は廃棄物ではないこと。第二に廃棄物の最終処分場に入れることのできる対象物は廃棄物だけであるため、廃棄物ではない土壌を入れることはできないこと。また第三に最終処分場は一般環境から物理的に隔離されており、一般環境の現象を言う土壌汚染とは言えないこと。以上の3点をあげることができる。

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